Apr 21, 2014
さくらいろ
さくらの季節を満喫できたのは何時以来でしょう。お施主さんがこの土地を選んだ理由が実感できる日、まるで天国に居る様なふわふわとした幸福感に包まれ サクラソフトまで食べそぞろ歩き。
肝心の基礎も努力の賜物で綺麗な仕上がりにほっと一息。
敷地に添った長い平屋では遊歩道を歩く様にシークエンスに添って切り取られた景色がそれぞれの場所で見えてきます。
書斎から甲斐駒ケ岳、リビングの大窓から栗の木、南の高窓から桜の枝と空や雲、それ以外にも自分だけのピクチャーウィンドウで様々な風景が映像を見るように楽しめる建築なんです!
この辺りの場所は戦後、開拓団が入り一時は牛の放牧や農家で形成されていましたが、今では獣が増え人が減り、人の営みで言えば限界集落に近い場所となっています。
今の桜の季節だけは賑わいますが、暮らす事を考えると我慢も制約もありますがこの場所で風景を楽しむ事に特化した建築を手がけられる事は幸せです。
近くにある神大桜 樹齢2000年と言われ精一杯生きて、華麗な花を咲かせそして今大地に吸い込まれつつある姿。
近くで見た時はさくらの花びらの華やかさと変わり、静かに朽ちていく姿に心が痛むばかりでしたが、写真の静止画で、こうして見ると
自然の中でなんと偉大な姿だろうと感動しています。
人の様に老いていく行く姿には確実にいのちが宿り
その中にも精一杯生きて行こうとする気持ちを感じる。
まだまだだ!と言われているよう。