長野県の建築設計事務所 スタジオアウラ一級建築士事務所
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アアルト夫妻が新婚旅行で訪ねたイタリア旅行で影響を受けたとされる
円形劇場コロッセオ
アアルト大学講堂は劇場の様なかたち
外観から内部は想像が難しい
大学の全体模型
素材の多様性
階段を一歩踏み出す毎に形態の変化景色の変化素材の使い方が全てにきょろきょろ凝視してしまいなかなか進まない
同じ場所に降りる3カ所の階段も雁行させ面白い。
混雑も避けられ機能的でもあるようです。
ステージから放射状に構造リブが広がっている。
光がまんべんなく入り
カーテンも照明もフレームに隠されていた。
小柄なAALTOによるためか家具は総じて低く私にはちょうど良かった。
全ての場所から公平に中央のステージが眺められつけられた角度に寄って
視線がその先へと集中できるように感じられる。
大空間が照明を付けることなく適度な光に満たされ祈りを捧げる教会の中にいるような
神聖さを感じた。
AALTOの心血を注いだデティールが違う次元へと空間を変えた。
租祖父が頑張って頑張って塩尻に
家を新築した時の上棟写真が残っています。(今も現存)
生まれ育った家はこの家
小学生頃既に古く寒い木の建具、断熱材も入っていないという状態で
友達の家が次々に新築されモルタルとサッシ付きの家に強い憧れを抱いていました。
この写真を祖母が見せてくれた時
「大正の終わりに中山道で大火があり新築ブームでそれに乗っかって我が家も新築した」
租祖父のお陰でこの家があると話を聞かせてくれました。
この写真を見た時、周囲の環境の違いと大勢の人が着物を着ている事や顔が真っ黒なことに驚いたものです。
そして古く隙間だらけの家が生まれた時間の流れを感じ
一番は木構造の躯体だけの美しさと現状の違いに驚き
思い返せば「建築」という行為に初めて触れました。
いつか・・綺麗な家に住みたい!という単純な思いがその時に芽生え
今建築を職業とする動機に繋がったようです。
租祖父まで時系列を整理してみると
この年の前に租祖父はつれあい(租祖母)を亡くし落胆を情熱に変えた様です。
それにしてもこの時代お金を稼ぐ手段は殆どなく
自分が働き動く事で人工を貸し借りして建てた家です。
家の価値は見た目だけでなく
その背景にあるのだと今になれば解ります。
1週間の休みを頂きフィンランドへ行って来ました。
二人共、20年ぶりのヨーロッパで本当に一念発起で施主の皆様、現場の皆様にご理解を頂きありがとうございました。
走り続けて来たこの20年、特に事務所を塩尻へ移してからは忙しく
実家の長崎へも2泊が限度、国内旅行も(猫もいるので・・)2泊までと勝手に思い込んでいた気がします。
本で読んだ知識が増えて行くにつれ
時代がインスタグラム、写真が拡散し実と虚の境界が曖昧な今の時代にあって
現地に行き実物に触れ感じ得た気持ちほど大切なものはありません。
自分たちのそうした危機意識が
急な思いを駆り立て実現するに至りました。
また親を見送り(私の母はありがたいことに健在)
今年大切な叔父叔母を見送った際に「自分の時間を大切にするように」
言葉をもらった事がきっかけです。
フィンランドでヘルシンキを中心に工業が盛んで市街地や交通網トラムを創り変えている渦中のPORI(ポリ)
ウーシマ―、湖に囲まれたユバスキュラと電車やバスを乗り継いで移動して来ました。
また旅行記はきちんと書き残して行きたいと思います。
アアルト大学図書館