長野県の建築設計事務所 スタジオアウラ一級建築士事務所
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租祖父が頑張って頑張って塩尻に
家を新築した時の上棟写真が残っています。(今も現存)
生まれ育った家はこの家
小学生頃既に古く寒い木の建具、断熱材も入っていないという状態で
友達の家が次々に新築されモルタルとサッシ付きの家に強い憧れを抱いていました。
この写真を祖母が見せてくれた時
「大正の終わりに中山道で大火があり新築ブームでそれに乗っかって我が家も新築した」
租祖父のお陰でこの家があると話を聞かせてくれました。
この写真を見た時、周囲の環境の違いと大勢の人が着物を着ている事や顔が真っ黒なことに驚いたものです。
そして古く隙間だらけの家が生まれた時間の流れを感じ
一番は木構造の躯体だけの美しさと現状の違いに驚き
思い返せば「建築」という行為に初めて触れました。
いつか・・綺麗な家に住みたい!という単純な思いがその時に芽生え
今建築を職業とする動機に繋がったようです。
租祖父まで時系列を整理してみると
この年の前に租祖父はつれあい(租祖母)を亡くし落胆を情熱に変えた様です。
それにしてもこの時代お金を稼ぐ手段は殆どなく
自分が働き動く事で人工を貸し借りして建てた家です。
家の価値は見た目だけでなく
その背景にあるのだと今になれば解ります。
1週間の休みを頂きフィンランドへ行って来ました。
二人共、20年ぶりのヨーロッパで本当に一念発起で施主の皆様、現場の皆様にご理解を頂きありがとうございました。
走り続けて来たこの20年、特に事務所を塩尻へ移してからは忙しく
実家の長崎へも2泊が限度、国内旅行も(猫もいるので・・)2泊までと勝手に思い込んでいた気がします。
本で読んだ知識が増えて行くにつれ
時代がインスタグラム、写真が拡散し実と虚の境界が曖昧な今の時代にあって
現地に行き実物に触れ感じ得た気持ちほど大切なものはありません。
自分たちのそうした危機意識が
急な思いを駆り立て実現するに至りました。
また親を見送り(私の母はありがたいことに健在)
今年大切な叔父叔母を見送った際に「自分の時間を大切にするように」
言葉をもらった事がきっかけです。
フィンランドでヘルシンキを中心に工業が盛んで市街地や交通網トラムを創り変えている渦中のPORI(ポリ)
ウーシマ―、湖に囲まれたユバスキュラと電車やバスを乗り継いで移動して来ました。
また旅行記はきちんと書き残して行きたいと思います。
アアルト大学図書館
昨年引き渡しをしました二世帯住宅の外構工事
あと一息で完成します。
話は変わりますが
土地の調査で様々な市町村へ出向きます。
例えば東御市、松本市、塩尻市
その中で危機感のある自治体の若い世帯への応援体制に感銘を受ける事がありました。
農地転用の書類を受け取りましたがその後電話があり他に必要な書類も郵送してくださるとのこと。
この場所なら住む方も安心して移住できそうです!
その市町村の印象は
窓口業務の人により「まち」への思いが大きく変わっていく事を実感しました。
最近、嬉しいことに松本市内の敷地調査も増え
河川法申請を必要な場所での設計は初めて・・
昨日奈良井川改良区へ出向き松本市内の生活は河川とは切り離せないと改めて実感。
同時にこちらの不足を補おうと担当者さんが
土木と建築の異なる部分、図面の読み方、成り立ち、レベルの読み方まで
教えてくれました。
私は奈良井川の左岸で生まれ育ち
川の流れのある場所に戻りたいと潜在意識の中で感じています!
金沢、フィレンツェ、京都と暮らす中でひとと川との関係がとても好きで
更にその思いが強くなりました。
河川に近い計画は気候と予想される事態と向き合い
より心情に寄り添った住宅が出来る様に考えて行きたいと思っています。