Aug 13, 2013
野尻湖ホテル
一足早く夏休み、以前ランチに行った事のある野尻湖ホテル エルボスコに行って来ました。設計は巨匠 清家 清です。
かつて珈琲のコマーシャル違いの分かる男シリーズにも出演されてました。(若い人にはわからん)
当時の設計を生かし巨匠渡辺 力の家具もそのままです。ホテルのレビューにこの家具が安っぽいとの評価があり様々なお客様をお迎えするホテルのご苦労を感じます。
目の前のピクチャーウィンドウから手が届く様な位置に森があり眼下に野尻湖が少しだけ顔を覗かせていました。
清家さんは多くの建築を設計されましたが、当時としては考え方が画期的でモダンな小住宅から著名になられた方です。
清家さんの初期小住宅自邸 「私の家」は開放的な空間、将来の可変性を重視し間仕切りや個室を設けない事が特徴ですが一方で季節ごと、様々な「しつらえ」を大切にされていたと著書の中で描かれています。
まず、日本の住まいは本来個室を創らず居間が寝室だったり客間になったり、ある時は書斎になる等その可変性が特徴です。それは日本人の思いやりがあって成り立っていたという事が根底にあります。
例えば大きな旅籠の雑魚寝部屋で多くの人が普通に過ごせたのも「気が付かない風を装う」事が出来る日本人だから成り立っていたと私も思います。
それよりも部屋の可変性に合わせた布団をたたむ、ちゃぶ台を出す、床飾りを整えるなど、しつらえを大切にして暮らしを楽しんでいました。
現代のリビングとは何か?リビングで何をする?残念ながら多くの家庭ではテレビを見る為の部屋と考えられているんですがテレビ抜きに一度考えて見ることも必要ですね。