Location: Ina, Nagano Prefecture, Japan
Architect In Charge: Mitsuru Yoshida,Kyoko Hoshina
Project Year: 2012
Photographs: Ippei Shinzawa

お施主さんが家を建てようと考え始めてから10年かかったと聞いたのは完成した後のお茶飲み話でした。

最初の出会いは土地を購入された直後。お話は緻密な計画書を基に始まりました。

持ち物の場所、過ごし方、欲しいものが明確に記されていて、都度の打ち合わせも細部まで、それを繰り返し思った通りの家になりましたと言ってくれました。

竣工後一年、当初から構想にあった車庫を増築し庭も周囲の景色と繋がり、風景を楽しみながら暮らす毎日にお邪魔しました。

冬は庭に置いたリンゴの実にやってくる鳥たちと会話をするようなほのぼのとした生活でした。

東雲色の家（しののめいろ）の敷地は伊那市と箕輪村境界に位置し前景には牧草地帯が広がり遠景には山が見渡せるという場所にあります。景色を楽しみながら機能的に暮らすことが一番の要望でした。

動線と生活の機能を重視しピロティー、住宅の玄関へまたLDKから食品庫と家事コーナーからｸﾛｰｾﾞｯﾄへ流れるように繋がる生活スペースは平屋で構成しユニバーサルデザインで使いやすい寸法にこだわりました。

２階には趣味でもあるガンプラとコミックの部屋があります。
建物が動線を歩く上でヒトの視線の遮げとならないように建物を曲げ角度をつけたことで開口部から当初の望みが適った景色を眺め暮らせる家となりました。

2013年車庫を増築しました。

 

写真：新澤　一平

庭：三楽