繭玉の家(3世代の暮らし)
2013年12月 Shiojiri Cocoon House
Location: Shiojiri, Nagano Prefecture, Japan
Architect In Charge: Mitsuru Yoshida,Kyoko Hoshina
Project Year: 2013
Photographs: Ippei Shinzawa
50代の施主さんにとって以前の住まいは大きな古い家でお蚕さま優先の住まいでした。
近くには住み慣れた集落と山もあり離れ難いけれど、生活を考えると不便な事もありました。古い住まいも残し往ったり来たり、ゆくゆくはこの場所に拠点を移そうという構想を持つお施主さんです。
購入された中古住宅には松と石積みが印象的な庭があり、設計はその庭を生かす事を考えエントランスから続く通り土間を創りました。
通り土間には畑の野菜をしまう室(むろ)や漬物をしまうための収納をたっぷりと確保し、家人用のシューズインクロークも別に設けてあります。
南の一番良い場所には90代の母の部屋、直ぐに繋がるLDK、風が抜けるように北の居室にも大きな開口を設け、道路からの視線は縦格子で隠し道路面にありながら安心して生活が出来るようにしています。
足の弱い母の為に水回りの動線も部屋から直線に繋いでいます。
のびた大屋根の下は外物置の機能も満たし格子はその目隠しの役目も果たします。
伐採した山の木や手持ちの桐の板材などを使い家族の思いの詰まった住まいは以前の家と同じように繭に包まれているように安心して暮らせる願いを込めて繭玉の家としました。
床塗はお施主さんと20代の子供さんを繋ぐ家族の良い思い出となり、
庭の竹垣もいずれ息子さんの代に代わっても一本ずつメンテナンスが出来るようにと考えられたものです。
写真:新澤 一平
庭:三楽
Detail
用途 | 住宅 |
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所在地 | Shiojiri Cocoon House |
完成 | 2013年12月 |
施工 | (有建築工房 時遊館 |